現在、わんちゃんの寿命は少しずつ延びています。飼い主さまにとって喜ばしいことですが、課題も抱えることがあります。その中で、認知症(正しくは、認知機能不全症候群)は注意が必要な病気の一つです。今回のテーマは、高齢化に伴って増加しつつある認知症についてお話します。
どんな症状?
わんちゃんの認知症にはさまざまな症状が現れます。
◎夜泣き
◎異常な食欲
◎昼夜逆転
◎トイレの失敗
◎無関心・無気力
◎目的なくひたすらウロウロする
一般的に、これらの症状は、通常、時間をかけて1つ、2つとゆっくり現れます。
認知症の原因は?
認知症について、はっきりとした原因はまだわかっていません。しかし、人と同じように脳の実質的な変化が見られることがわかっています。
なりやすい犬種はある?
特定の犬種が認知症になりやすいのかは世界的には差異はありません。古いデータとして日本犬が認知症になりやすいという報告はありましたが最近ではどんな種類でも年齢とともに認知症になる確率が上がると考えられています。
認知症と間違えやすい病気
認知症の一部の症状は他の病気と混同されやすいです。例えば、脳腫瘍や神経疾患でも、不安感やせん妄症状から、夜鳴きや徘徊が起こることがあります。また未去勢の男の子では前立腺肥大、未避妊の女の子ではホルモン疾患による尿もれなどが起こります。正確な診断のためには動物病院での専門的な診察が必要です。
ならないためには?
飼い主として認知症にはなってほしくないと思うのは当然のことです。
100%予防することは難しいですが、予防の鍵となる食事・運動・遊びを意識することで脳の老化を緩やかにし、認知症の予防へとつながる可能性があります。
認知症予防のために、特に積極的に与えたい栄養素は、EPAやDHAなどのオメガ3脂肪酸です。DHAやEPA、ビタミンEなどの、抗酸化作用や抗炎症作用のある成分が含まれたサプリメントも、脳の老化をゆるやかにするといわれていて、認知症の予防につながる可能性があります。
運動は脳への刺激として、また老化そのものの進行を遅らせる目的としても大切です。わんちゃんの体調が悪くない限りはできるだけ毎日の散歩を続けましょう。
最後に遊びに関しては、老化とともに生活が単調になりがちですが、遊びで脳を刺激して認知症の予防をしましょう。
例えば、犬が元々もっている探索心を利用して、何かの入れ物におやつを入れて探させるのもいいかもしれません。これ以外にも市販されている知育玩具を取り入れて、楽しみながら脳への刺激や老化を予防するのもいいでしょう。
もしなってしまったら?
認知症は、脳の老化であり、これを止めることはできません。今の医学で治すことは難しいとされています。しかし、放っておくとどんどん進行していきます。
もしわんちゃんが認知症と診断された場合は、治療法としては特定の薬物療法や栄養療法があり、症状の進行を遅らせることが期待されます。また家族が認知症を理解してケアすることが重要です。
まとめ
認知症は予防が最も大切ですが、症状が認められた犬に対しては神経質になりすぎず一つ一つ向き合っていくことが大切です。しっかりとした知識を持って、症状に応じて正しい対処をしていきましょう。当店と常に連携している、どうぶつ病院四条堀川院でも認知症や認知症に似た症状について気になることがあれば、お気軽に獣医師にご相談ください。
🐶ドッグケアのご予約
お電話はこちら:075-744-1039
🐶どうぶつ病院京都 四条堀川HP:https://animal-shijo.com/
お電話はこちら:075‐744‐0117
コメント